掃除したばかりの網戸から入ってくる風の心地良いこと。
それほど汚れているようには感じていなかったのだけれど、いつもの風とは違うと感じるのだから、それなりに汚れていたのだろうと思う。
更には、網戸越しの景色も心なしかクリアに見えるものだから、網戸の汚れだけでなく余計なものはできるだけ溜め込まないに限るようだと改めて感じたりもした。
その日は、エアコンも必要ないくらいの涼しい風が入ってきていたものだから、久しぶりにパウンドケーキを焼くことにした。
ホームパーティーでお客様に振る舞う予定があれば本気レシピで焼くのだけれど、完全に自宅用の今回は、出来る限りカロリーを抑えたカロリーオフ仕様のレシピである。
バターは体に良いオイルに置き換えて量を減らし、お砂糖代わりに使っているオリゴ糖も更にラカント(※お砂糖と同じ甘さでカロリーゼロの甘味料)に置き換えて、こちらも気持ち量を減らして使用する。
焼き上がりに添えるジャムもお砂糖不使用のものだけれど、言われなければ気付かないくらいの十分な甘さがあり、自宅でのちょっとしたティータイムは、これくらいで十分なのである。
すき間時間を使っての作業だったので、使ったのはホットケーキミックスの粉。
本来であれば、中途半端な量の粉が残る予定だったのだけれど、粉を残しておきたくなくて分量を調整して使い切ることにした。
一時期、世の中からホットケーキミックスの粉が姿を消したけれど、それくらい多くの方に頼られている、この手の粉が中途半端に残ってしまった時は要注意である。
いつだったか、食材や食品の取り扱いに長けている知人の口からパンケーキシンドロームという言葉が飛び出した。
私は当時初めて耳にしたのだけれど、この言葉の中身を聴いて以来、ホットケーキミックスの粉を選ぶ際は、出来る限り一度で使い切ることができるものか、小分けになっているものを購入し、中途半端に残ってしまった分の取り扱いにも注意を払うようになった。
パンケーキシンドロームとは、ホットケーキミックス粉などの袋の中で繁殖したダニや、ダニの死骸、フンなどを食べて引き起こされるアレルギー症状のことで、アレルギー症状の中でも重い症状が出ると言われている。
ダニアレルギーを持っている方や喘息の方に出やすいと言われているけれど、個人差があり、詳細は研究中の域を出ていないようなのだけれど、ダニアレルギーや喘息でない方にもアレルギー症状が現れることがあるそうで、注意が必要だと注目されている。
ホットケーキミックス粉には、予め様々なものが混ぜ込まれているけれど、この混ぜ込まれているものと、粉から発せられている香りは、ダニが好むこのだそうで、香りにつられてやってきたダニが餌が豊富な粉の中で繁殖していくという。
しかも、その繁殖スピードが驚くほどに早く、大量繁殖を繰り返すため、粉の中はダニとダニの死骸とフンでいっぱいになるようだ。
しかし、カラフルな色でも纏ってくれていれば気が付くけれど、目では確認できないサイズであることがほとんどなので、気付きたくても気が付けないところが厄介である。
厄介な点と言えば、過熱が通用しないことも挙げられている。
過熱すればダニは死んでしまうかもしれないのだけれど、ダニアレルギーの原因となるダニの死骸やフンは過熱しても粉の中に全て残っているため、ダニが発生してしまった粉は賞味期限内、消費期限内のものであったとしても、処分一択となる。
しかし、どうしても使いきることができない場合もあるので、そのような時には、しっかりと封をしたものをガラス容器やプラスティック容器に入れて密封し、更にこれを冷蔵庫で保存し、賞味期限や消費期限に関係なく、出来る限り早く使い切ると良いそうだ。
これからの時季は、キッチンやパントリー内の温度もアップダウンが激しくなります。
未開封のものは心配無用ですけれど、開封したホットケーキミックス粉やパンケーキミックス粉、お好み焼きやもんじゃ焼きの粉などの取り扱いや保管にはご注意くださいませ。
美味しい食卓のための、何かしらのヒントやキッカケにしていただけましたら幸いです。
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