確か数年前にブームになりかけたけれど、
あまり定着しなかったように思うギモーヴというお菓子、
皆さんはどのようなお菓子だったか記憶に残っていますでしょうか?
画像のお菓子がギモーヴです。
「そういえば、そんなお菓子もあったね」という声が聴こえてきそうなのですが、
これは『フランスのマシュマロ』と呼ばれているこのお菓子です。
しかし、この二つは似てはいるものの違いがあるのです。
「マシュマロ」は、メレンゲにシロップを加えてゼラチンで固めたもの。
「ギモーヴ」は、フルーツピューレにゼラチンを加えて固めたもの。
マシュマロもフレーバーが豊富ですが甘いシロップを使っているので
食べた後に口の中に甘みがしっかりと残るのに対して
ギモーヴはフルーツピューレを使っているので口の中にフルーティさが残ります。
食感は、マシュマロはふわっとした中にもっちり感がありますが、
ギモーヴはメレンゲを使用していないのでマシュマロよりも、
もう少し柔らかくて、むにゅっとした印象を受けます。
しかし、メレンゲを使わないと固めるための手間暇がかかるため、メレンゲを使ったがギモーヴも多いのです。
私は純粋なギモーヴの食感を楽しみたいので、果実味豊かなフランボワーズなどのギモーブに出会えたりすると
目をギュッと瞑り、ふわっとしたギモーヴを噛みしめる度に広がる果実感と食感に溺れてしまいます。
「(あぁ……大人のマシュマロ……)」などと思いながら。
このフワッと優しい「マシュマロ」、「ギモーヴ」と名付けられているお菓子たちですが、
もとは、このお菓子を表す言葉ではないのです。
しかし、どちらも同じ植物を指す言葉で、日本では「ウスベニタチアオイ」と呼ばれています。
この植物を英語で言うと「マーシュマロー」、フランス語で言うと「ギモーヴ」なのです。
この植物の根から取った澱粉を使って作られたお菓子が「マシュマロ」、「ギモーヴ」だったのです。
ただ、現在では、この植物の澱粉は使われなくなっているようで、名前だけが残っている状態なのだそう。
同じ材料を使って同じようなお菓子を異なる製法で作り、
現在はタイトルにもなっている「ウスベニタチアオイ」の澱粉を使わずに作られている「マシュマロ」と「ギモーヴ」。
歴史の源流をたどってみると同じところにたどり着くなんて、ちょっと面白いと思いませんか?
似ているようで実は少しだけ違っていた「マシュマロ」と「ギモーヴ」。
両方とも美味しいけれど、みなさんはどちらがお好きですか?