幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

「お言わず様」って何かしら?あなたは秘密を守ることができますか? 

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その日は、江戸時代前期の俳諧師・松尾芭蕉の作品を振り返る必要に迫られて

時折、舟を漕ぎつつ彼の作品を読み返していた。

それなりに歳を重ねてきているだけのことはあるようで、

学生の頃よりは作品について感じ取ることができる部分も見える景色も増えたように思う。

それでも「必要に迫られて」と言いながら舟を漕いでいる内はまだまだなのだろう。

そのようなことを思いながら眠気覚ましに濃いめの紅茶を淹れた。

書斎からリビングへ場所を移動して紅茶を飲みつつページを捲る。

次に現れたのは、「語られぬ湯殿にぬらす袂(たもと)かな」という一句。

 

ご存知の方もいらっしゃるかとは思うのですが、

この句に出てくる湯殿というのは湯殿山という名の神社のことで、

湯殿山神社には古くから厳しい規則があります。

それは、こちらのご神体については何ひとつとして他言してはいけない。

他言してしまいそうであるならば見聞きするな。

見聞きしたのであれば他言するな。というもの。

湯殿山神社だけではなく日本にはこのように、

この場所で見聞きしたことを他言してはならないという規則を設けた場所が幾つかあります。

このような規則を「お言わず様」「お言わずさん」と言います。

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ただ、現代人の日常習慣が無意識にそうさせてしまうのか、

ネット上には画像を含めた詳細をあちらこちらで目にしますし、

画像や詳細と一緒に「お言わず様」だと記している方が多いのです。

私はそれを目にする度に、お言わず様はどこへいってしまったのかしらと思っております。

と同時に、神聖なご神体が人の言葉や印象で穢されぬよう作られた規則、

「お言わず様」「お言わずさん」も現代社会では効力を失ってしまうのかしら・・・・・・と。

もしあなたが、湯殿山神社のご神体に限らず、

何かしらの秘密を知ったとしたら、お言わず様を通すことができますか?

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さて、冒頭の松尾芭蕉さんはどうだったのか、彼の句を要約してみますと、

「湯殿山での出来事は何一つとして外へ漏らしてはいけないと言われている。

そのような湯殿山に登ることができた有難さに私は涙をこぼした。」

というようように綴られております。

※ちなみに、古文で「袂(たもと)」や「袖(そで)」というキーワードが登場したら「泣いている様子」「涙」を表しています。嬉し涙か、悲し涙か、悔し涙か、涙の種類は見分けなくてはいけないのですが。

芭蕉さんは「お言わず様」を通すことができたようですね。

普段であれば私も湯殿山神社についても、

もう少し詳しくご紹介させていただくところではありますが、

今回は、お言わず様を通させていただきたいと思います。

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辛い物はお好きかしら?

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何となくテレビを眺めていたら、美味しそうな四川料理の紹介が始まった。

あの食欲をそそられる真っ赤な色に視線が釘付けになった。

以前住んでいたところは歩いて2分ほどの場所に本格的な四川料理のお店があった。

家で作る四川料理もいいけれど、本場の方が作るそれとは、やはり微妙に異なるのだ。

微妙なそれこそが技であり、文化であり、リアルな味なのだと思う。

だから、本場の辛さを存分に味わいたいときに頼りにしていたお店だ。

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私は激辛好きというほどではないのだけれど、ある程度の辛い物であればいける口。

このようなタイプは、時々、辛い物を欲することがあるように思うのだけれども皆さんはどうだろうか。

海外で生活をしていると日本食も恋しくはなるのだけれど、

どういうわけだか辛いものを欲することがある。

私の場合は、フランス滞在中、その傾向が少々強かったように思う。

朝からクロワッサンを口にし、ランチのあとのデザートタイムには極甘スイーツが登場する。

小腹が空いたティータイムにホットチョコレートのおともにザッハトルテを注文する友人を見て、

色んな意味で「おぉ~」と声が漏れたこともあった。

※ザッハトルテとは、オーストリアの伝統的なチョコレートケーキの一種でウィーンにあるホテル・ザッハーの名物菓子。

もちろん、甘いものも美味しいし、文化だということも理解してはいるのだけれど、

私には刺激が必要だったようだ。

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だから、友人たちに美味しい四川料理を食べに行こうと提案した。

少しだけ妙な空気が漂った気がしたのだけれれど、友人たちは快く提案に乗ってくれた。

しかし、この後思いもよらなかったことに気付いたのだ。

フランス人は辛い物に不慣れだということ。

辛さの中に旨みや甘みを感じられる味覚は誰にでも備わっているものではないということ。

数人での食事会だったのだけれど、私ともう一人を除いた全員がお腹を壊してしまったのだ。

辛いだけで美味しさまでは分からないと言われた時には、

申し訳なかったという気持ちと共に

フランス人の辛さの認識や感じ方通して文化を知ったような気がした。

その日は四川料理の後に、お口直しだと言って連れて行かれたのは

脳のてっぺんを突き破られるのではないかというくらい極甘のスイーツ店だった。

「こういうことか」と笑うと、「そういうことよ」と笑われた。

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そのことがあってから、フランスでの食事を観察するようになったのだけれども、

確かに辛いものに出会う頻度は低い。

辛い物と言えば?と問えば、マスタードやブラックペッパーをはじめとするコショウの名が上がる。

健康ブームの影響もあってワサビを口にする人が増えているけれど、

ダイエットや疲労回復に効くと聞けば唐辛子にも注目が集まるのだろうか。

いや、このハードルは想像以上に高いだろうな。

そのようなことを思いながらテレビの中の四川料理を目で追った。

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バスタブから始まるオトナ目線の活かし方。

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朝焼けの空の空を眺めながら濃い目に淹れたルイボスティーを飲んでいた。

空に浮かぶ雲がほんのりと薄桃色に染まっていて、

まるでバラの花びらを撒いたかのような空をしていた。

そう言えば、明け方まで触れていた天然石も、こんな風に柔らかい色をしていた。

明け方までフル稼働だったため、

そのままでは眠れないような気がしてバスタブにお湯を張った。

リネン庫の隅から入浴剤が入った箱を取り出し、ガサゴソと目星をつけて入浴剤を取り出した。

少し大きめのタブレット型のそれをバスタブに放り入れた。

ドポンッという音と一緒にシュワシュワシュワと気泡が溢れ出した。

何だろう、これに似たシーンを私は知っている。

溢れ出る気泡を見ながらそう思った。

あ、あれだ。この後、神様が出てきて尋ねられるあれ。

あなたが落としたのは金の斧?銀の斧?それともこの斧?というイソップ物語。

バスタブの中から出てくるはずのない神様を想像しつつ、物語を振り返っていた。

 

というのは、わたくし、この物語とのお付き合いが長いのです。

子どもの頃から大人になった今でも数年に一度ほどではあるのですが触れている物語です。

物語そのものが好きだという理由ではなく、

翻訳者によって神様の対応が変わるところを地味に面白いと思っております。

 

皆さんもご存知のとおり、

木こりが手を滑らせて湖(川)に仕事道具の斧を落として落胆しているところに

湖(川)の中から神様が現れて「あなたが落とした斧は金の斧?銀の斧?それともこの使い込まれた古い斧?」と尋ねるのだけれど、

私が触れてきた物語では、神様は斧を取り換えるために毎回、湖(川)の底に戻ってしまうのです。

子どもの頃、「一度に3本見せてあげればいいのに、この神様って意地悪だな」と何度思ったことか。

きっと、この印象が引き金になっているのだと思います。

私は神様の一挙手一投足を観察するようになりました。

 

物語はその後、神様の丁寧な確認作業を経て木こりが古い斧が自分のものだと正直に答え、

これに感動した神様がご褒美に全ての斧を渡します。

この出来事を知った他の木こりたちも金の斧と銀の斧欲しさに

神様を騙して全ての斧を手に入れようとするも、

結果は自分の斧までも無くしてしまうといった具合に進んでいきます。

この時です、この欲に目が眩んだ木こりたちが金の斧を見せられたとき。

すぐさま「その金の斧こそが私の斧です」と言った木こりを目にした時の神様は、

嘘をついた木こりを手にしていた金の斧でゴンっと叩きこらしめただの、

この嘘つきめが!この馬鹿者が!と怒鳴りつけただの様々なシチュエーションがあります。

そして、お怒りになったまま湖(川)の底へ帰っていくというエンディングです。

本来、この物語は「正直は最良の策」といった教えの物語なのでしょうけれど、

神様って意外と短期なのね、神様も人なのね、と子どものころは思ったものです。

しかし、大人になると翻訳者の思考やイメージによるちょっとしたアレンジ部分、

腕の見せ所であり、遊び心を盛り込める部分なのだと気づきまして、

現在は翻訳者によって変わる神様の対応を地味に面白いと感じております。

時々、神様が女神様として描かれているものもありますが、

翻訳者は男性であることが多いのも密かに興味深いところでございます。

以前、古代ローマ時代と現代日本が入浴文化がお風呂で繋がる漫画作品が話題になりましたが、

その日の我が家のバスタブは、

少々変わり目線ではありますがイソップ物語の世界と繋がっておりました。

本日もお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

あなたのバスタイムが癒しの時間となりますように☆彡

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ダウンコートだってセルフクリーニング。 

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外はまだ少し冷たさが残ってはいるものの、

明るい色味のお洋服に袖を通すと気分がぐっと春に傾きます。

数日前から今シーズンお世話になったお気に入りを着納めしつつ、

本格的に衣替えをはじめました。

普段、コート類はクリーニングに出しているのですが、

ダウンコートだけは長年ホームクリーニング。

このような事を言うと、ダウンって自分で洗えるの?と驚かれるのだけれど、

コツさえつかめばニットをホームクリーニングするのと大差はないのです。

今回はお洋服のお手入れ時期でもありますので、

そのようなお話をすこし、と思っております。

 

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ホームクリーニングの手順はニットを手洗いする時と変わらず、

「お洗濯表示の確認→洗い→脱水→柔軟仕上げ→乾かす」という流れです。

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手順

【1】洗う前にお洗濯表示を見て洗えるものかどうか確認します。洗えることを確認したら付属品を全て取り外します。

 

【2】袖口や首回りを改めて確認してみると汚れや皮脂、女性であればファンデーションなど気付かぬうちに付けてしまっていたりしますので、まずは、ここを部分洗いします。お湯におしゃれ着洗い洗剤を薄めに溶いたものを薄手のタオルに含ませて汚れている部分に洗剤液を染み込ませるように乗せていきます。汚れがひどい場合はタオルに汚れを移すようなイメージで叩くようにして馴染ませます。その後、ぬるま湯を染み込ませたタオルで洗剤液を吸い取ります。※汚れをしっかりと落としたい場合は食器洗い洗剤液を薄めに溶いたものを使用すると頑固な皮脂、メイクの皮脂などもスッキリと落とせます。

 

【3】大きな桶か洗面ボウル、洗濯槽などにお水に近いぬるま湯を張り、おしゃれ着用の洗剤をしっかりと溶かします。ダウンに、ゆっくりとぬるま湯を染み渡らせるように押し洗いをします。先に部分洗いをしたところは、最初の洗剤液を押し出すようにぬるま湯を染み込ませます。

 

【4】ネットに入れて15秒~20秒ほど洗濯機のおしゃれ着用の脱水をかけます。この間、洗面ボウル等にお水に近いぬるま湯をたっぷりはります。

 

【5】脱水が終わったら新しいぬるま湯に付けて、おしゃれぎ洗剤液を取り除くようなイメージで押し洗いをします。ぬるま湯を変えてもう一度押し洗いをして、洗濯機で脱水します。この時の脱水も【4】と同じ状態でおこないます。

 

【6】この後は、もう一度、ぬるま湯をはり柔軟剤を溶かしいれ2~3分ほどつけ置きし、【4】と同じように脱水します。

 

【7】脱水が終わったら、しっかりと肩の部分に丸みがあるようなハンガーにかけて4日ほど陰干しをします。注意する点は、この状態で干しっぱなしにしないこと。干しっぱなしは型崩れを起こしてペタンコダウンになってしまいます。まずは、半乾きの状態の時に生地の中で固まっているダウンをほぐします。乾かす過程で、時々羽毛をほぐすと、羽毛が空気を含んでふっくらとしたダウンに戻ります。更に、4日も乾かすの?と思われるかもしれないのですが、乾かしきってください。羽毛の表面は乾いていても芯が乾くまで時間がかかります。ここに水分が残っているとカビ、臭いの原因になりますので、しっかりと乾かしつつ、羽毛を揉み解して空気を含ませることもお忘れなく。

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一度、丁寧に水洗いをしてみると、

それまで感じていなかったホコリやニオイが付いていたことに気付かれるのではないでしょうか。

サッパリと洗えているダウンは思っている以上に気持ちの良い仕上がりです。

自分で洗える自信がない方は無理をせずにプロの手をかりましょう。

その際、水洗いでのクリーニングをお願いできる場合もありますので、

さっぱりと洗ってしまいたいと言う方はお店の方に確認してみてくださいませ。

 

※おしゃれ着用洗剤は使い慣れたものをご使用ください。私は長年エマール愛用しています。別にエマールとの関係は一切ないのですが、今のところ、どのような素材をセルフクリーニングしても目立った弱点が見当たらずおしゃれ着用洗剤としてのバランスがいいのです。もちろん、使い比べてみて他にも魅力的なものはあると感じますが、乗り換えるまでには至っておりません。あくまでも私個人としては、です。

 

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今年の春は、春の味覚のひとつでもある「よもぎ」を見直してみませんか?

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今年もあっという間にひな祭りが過ぎてしまいましたが、

皆さんのお宅では春の訪れを、どのようにお祝いされたのでしょうか。

ひな祭りは女の子だけのものというわけではなく、

春をお迎えできることを喜んで、皆が笑顔で過ごせるように願う機会でもあります。

うっかりお祝いしそびれた方は今夜辺り、

お好きなお飲み物を飲みつつ、お好きなものを食べつつ、

今年の春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。

もちろん、意味があっての3月3日であったり、行事食であったりもするのですが、

あぁ・・・・・・お祝いしそびれちゃったなと気に病むくらいなら

1日遅れだけど楽しんでしまおう、という心持ちで過ごしてしまった方が、

心残りなく日々を楽しめるような気が致します。

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先日、よもぎ餅をいただく機会がありました。

春にいただく「よもぎ餅」の香りが一段と芳しく感じられるのは

人が本能で春を心待ちにしているからでしょうか。

よもぎのほんのりと苦みを含んだ香りに体中を細胞がぽわっと開いたような気がしました。

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よもぎと言えば通称万能薬草と言われておりまして、薬効も栄養価もピカイチです。

よもぎを、食事やデザート、お茶などで味わうことで

どのような効果が得られるのかと言いますと、

血液の中にある老廃物を排出してくれたり、血液を作ってくれたり、

悪玉コレステロールを排出して心筋梗塞や脳梗塞を予防してくれたり、

デトックス効果、アンチエイジング効果、免疫力を上げる効果など、盛りだくさんです。

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更には、擦り傷や切り傷などの殺菌効果や止血効果がありますし、

肩や腰、神経の痛みを和らげたり保温したり、お灸にも使用されています。

外側からの薬効も持ち合わせている点も万能薬草と言われる理由です。

 

私はアトピー性皮膚炎の症状でお肌が荒れた時など、

よもぎエキスで作られた入浴剤のお世話になっていたことがあります。

お肌のトラブルが出やすいお子さんがいらっしゃるご家庭では、

よもぎを使った入浴剤や石鹼でお肌を殺菌したあと、

たっぷり、しっかりと保湿しますとお肌のコンディションが整っていくかと思います。

季節の変わり目は、どうしてもお肌の奥の方が乾燥してしまいがちですので、

保湿と保湿の状態を出来るだけ長時間保てるようなケアを意識してみてくださいませ。

 

更に、よもぎには精油の効果もあり、

その香りはストレスの緩和、安眠効果などもあると言われています。

また、古くから、よもぎの香りには邪気を祓う効果があるとも言われ

厄除けアイテムとしても使われてきました。

日本人は、よもぎ湯だけでなく、ゆず湯、菖蒲湯など薬草を使ったお風呂を

季節の行事に取り入れて「邪気祓い」をしていますが、

血流を良くして免疫力を上げることで元気に過ごせるということを

感覚として知っていたのかもしれませんね。

春の味覚のひとつでもある「よもぎ」。

今年は少し見直してみてはいかがでしょうか。

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お作法|立食パーティーでのお作法を再確認。

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もう大人ですもの、立食パーティーでのお作法は大丈夫。そう思ってはいても、

実際、その場に立ってみると自分の振る舞いが正しいのかどうか急に不安になった、

という経験は誰もが1度くらいはあるのではないでしょうか。

春はパーティーシーズンでもありますので、

どのようなスタイルのパーティーにお招きいただいても、

その場を自分らしく楽しむことができるように再確認をしてみませんか?

今回は立食パーティー会場内でのお作法を確認してみたいと思います。

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|お料理を取りに行ったら隣に知人が、友人がいた。

座席にじっとしていなくてもよいと言う点ではリラックス度が高いパーティースタイルですが、

だからこそ、ついうっかりNG行動をとってしまいがちです。

美味しそうなお料理が並んでいるメインテーブルは人が自然と集まります。

横を向けば久しぶりに知人や友人と顔を合わせることも。

つい、メインテーブル付近で挨拶からお喋りへと移ってしまいがちですが、

これはNGポイントです。

知らぬ間にお料理に唾が飛んでしまったり、ホコリが落ちてしまったり、

衛生面に問題が起きてしまいます。

また、お料理を取ろうと並んでいる方々への妨げにもなりますので、

お料理を取り終えたら速やかにその場をあとにしましょう。

知人と顔を合わせてしまったのであれば、

挨拶を交わした後ははやる気持ちをぐっと抑えて

「先にお料理をとってしまいましょうか」などと相手をリードし、

おしゃべりはメインテーブルを離れてからゆっくりと楽しみましょう。

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|あなたのいつもの親切心がNGポイントになることもあります。

そして、女性に多く見られるNGポイントがあります。

それは、自分以外の方のお料理を取ってきてあげるという行動です。

とても親切な行動のように見えますが、

立食パーティーでは自分が食べるものを食べる分量だけ取ることがお作法です。

ただ、ご年配の方への配慮であったり、

思うように動くことができない方への配慮は、臨機応変に行いましょう。

 

|お料理の取り方、盛り付け方はどうかしら?

そして、お料理は向かって右から左に

前菜、お魚料理、お肉料理、デザートのような順で並んでいることが多いです。

食べたいもの目がけて割り込んだり、空いている場所を狙ったり、

左から右へ取っていくというのはNGです。

お料理は右から左へ順に取っていくようにしましょう。

お料理の分量と盛り付けは、冷たいものと温かいものを同じお更に盛り付けないこと。

一皿に2~3品を彩りよく少量ずつお更に盛り付けるとスマートさが増しますし、

自分も食べやすく、動きやすいかと思います。

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|グラスの扱いは?

立食パーティーでは冷たい飲み物が入ったグラスを手にすることが多いのですが、

水滴が気になりますよね。

冷たい飲み物をいただくときには紙ナプキンもいただきグラスの底に当てておきます。

グラスをテーブルに置く際は、この紙ナプキンを軽く折り、グラスの下に敷き、

自分の目印にしましょう。

 

|パーティー会場にある椅子やソファーは座ってもいいの?

立食パーティーの会場にも椅子やソファーが設置してあります。

日本には「立たまま食べ物を口にすることはお行儀が悪い」という認識があるため、

つい、椅子やソファーに座ってしまう方がいらっしゃいます。

ですが、立食パーティーでのこの行為はNGです。

これらの椅子やソファーは、足腰が弱く立っていることが困難である方や、

体調がすぐれない方や不安定な方などが体を休ませるためのものですので、

極力使わないようにしましょう。

本当に必要な方が必要な時に気兼ねせずに使えるような状態にしておけるといいですね。

 

立食パーティーのメインは、お料理ではなくコミュニケーションです。

基本のお作法を抑えた後は、口角をきゅっと上げたスマイルで、

あなたらしくパーティータイムを楽しんでくださいませ。

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味覚の世界も紙一重。好き嫌いには可能性が秘められている?

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数人で食事をしていたときのこと。

子どもの頃はお酒なんで苦くてマズイものだと思っていたけれど、

いつのまにか美味しいと感じるようになるのだから不思議なものだ、という話になったのです。

そこから話題は、食べ物の好き嫌いは、

いつ頃どのようにして出来上がったのだろうかと発展し、

各々がぽろりぽろりと好き嫌いについて話し始めました。

 

子どもの頃から慣れないものは口にせず、

今も色々と食べてはみたいけれど、

つい慣れているものや味の想像ができるものを選んでしまう、という人。

子どもの頃とは逆で今は甘いものが苦手、

子どもの頃からとにかく甘いものに目がない、など

食の好みを細かく言い合えば興味深い話が色々と出てきました。

 

私は好奇心の方が勝ってしまっていたようで、

大人が食べるもの、飲むものをこっそりと摘まむような子どもでした。

そのことが影響しているのかは分からないけれど、

好き嫌いは無いほうなのではないかと思っている。

強いて挙げるならコーヒーとビールの苦みだけは苦手で、

どうしても断ることができないシチュエーション以外では、自ら口にすることはありません。

 

黙ってひと通り話を聞いていたその道のプロが、口を開きました。

苦手なものがあるということは、

好きになる可能性が残っているということでもあるのだと。

私たちの口の中には味蕾(みらい)と言う味を感じることができる器官があり、

人が好む味に違いがあるのは、この味蕾(みらい)の数の違いが関係しているのだそう。

その場に居たメンバーが「みらい?ミライ?未来?」のようなリアクションをすると、

「味のつぼみ(蕾)と書いて味蕾」と補足してくれました。

 

この味蕾(みらい)の数が多ければ味覚を強く感じるので

味を敏感に感じ分けることができるという仕組みなのだとか。

人は子どもの時に飲むミルクに含まれる成分でもある

甘み、旨み、塩みの味から覚えるのだそう。

そして、この段階では本能が味覚を通して苦み、辛み、酸味、渋みなどは

体に害があるものとして判断することで身体を守るようにできているそうなのです。

その後の成長過程で、

このような味の中にも体には害がないものがあることを学ぶのと同時に、

味蕾(みらい)の数が少しずつ減ることで感じられる刺激も減ったり、和らぎます。

すると、個人差はあるものの、苦手だったものが苦手ではなくなったり、

好物になったりという現象が起きるそうなのです。

 

ただ、この味蕾(みらい)という器官は年齢と共に徐々に減っていくものらしく、

子どもの頃を100とした場合30代、40代では30程にまで減っているようです。

ですから、子どもの時から苦手だから大人になった今でも苦手、とは限らないのだそう。

苦手であるとするならば、その味に対する経験値が少なく、

発達段階にある可能性も高いのだとか。

苦手だったものを、「美味しいかも」と感じたとき、

あなたの味覚の一部が大人ゾーンにゴールした印ということのようです。

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わたくし、この話を聴きながら、

もし、ビールを美味しいと感じられたなら、夏のビアガーデンを満喫できるのかしら?

もし、コーヒーを美味しいと感じられたなら、あの素敵なコーヒー専門店を満喫できるのかしら?

とまだ感じることができていない世界を想像しておりました。

そして、気分だけでも大人ゾーンを味わうべく、いい香りだと感じているコーヒーはトライ中です。

しかし、周りに言わせると、私が飲んでいるものはコーヒーではなく

“限りなく牛乳に近いコーヒー風味の牛乳”らしいのですけれど。

 

「苦手」の先に「大好き」の種が隠れているのだとしたら、

あなたは、その大好きの種を手にしてみたいと思いますか?

味覚の世界も紙一重ということなのかもしれません。

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笑いも色々、その表現の真の姿をご存知ですか?|爆笑と失笑編 

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皆さんは日常の中で「爆笑」、「失笑」という言葉を使うことはありますか?

私は、この2つの言葉を使うとき、耳にするとき、意識がキュッと小さく反応します。

「言葉は生きている」とお話させていただくことが多いのですが、

この言葉たちにも生命力のようなものを感じるのです。

 

と言いますのも、正しい使い方や意味というものを持っているのですが、

日本語の使い手である私たちの多くが誤った使い方をしてきているため、

その間違いが少しずつグレーゾーンに突入しはじめているのです。

 

まずは、「爆笑」という言葉。

とても面白いことがあり、お腹を抱えて笑ってしまったときのような状況を

「爆笑」と表現しているかと思うのですが、

その状況で爆笑している人の人数を思い浮かべることはありますか?

本来「爆笑」というのは、大勢の人たちが一緒に、同じタイミングで笑う様子を表しているので、

自分だけがお腹を抱えて笑った状況のことは「爆笑」とは言えないのです。

正しく表現するならば、「1人でお腹を抱えて笑った、1人で大笑いした」となります。

 

「失笑」という言葉も、笑えないような雰囲気や呆れた様子、乾いたリアクションとしての笑い、

といったイメージやニュアンスを含ませて使われていることが多いのですが、実は誤用。

本来は、「笑ってはいけないと分かっていたにも関わらず笑ってしまった」

というようなシチュエーションを表しております。

 

漢字から意味を読み取ろうとする日本人は、

「失笑は笑いを失うと書くのに、どうして?」と考えてしまいますが

「失(しつ・うしなう)」という漢字は「あやまち、おちど」という意味も持っているのです。

そう思ってもう一度見直して見ると、

「笑ってはいけないと分かっていたのに、誤って笑ってしまった」

という失笑が持つ本来の意味が浮かび上がってくるかと思います。

 

最近、どこが出している辞書だったか覚えていないのですが、

言葉の誤用も補足として紹介されておりました。

そのうち、誤用率が高い「爆笑」や「失笑」という言葉の間違った意味も

正式に認められる時が来るのかもしれません。

 

知っていても知らなくても日常に支障はないかもしれないのですが、

小説などをよく読まれる方はこのような視点をもっていると、

作品の世界をよりリアルに感じることができたり、

作者の意図に触れることができたり、と楽しむポイントが広がります。

日常生活の中で話し相手がどちらの表現を使ったのかを知ることで

相手の何かに気付いてあげられることがあるかもしれません。

お子さんがいらっしゃる方は、

お子さんから投げかけられる素朴な疑問にも軽やかに対処できるでしょうね。

どれもささやかではありますが、知ったからこそ見える何かが特典として日常に表れます。

 

言葉は生きているだけではなく使い手の想いも乗せて運びます。

ですから、誤用したとしても相手には伝えたい想いが伝わることも多々あります。

そのようなことを思うと、私たちは不思議なものを日々扱っているのだなと思ったりもして。

国語の試験を受けなくてはいけない年齢ではないワタクシ達オトナは、

正しい意味とも、グレーゾーンの表現とも、上手なお付き合いをしていきたいものですね。

あなたの知識ボックスの片隅に忍ばせていただけましたら嬉しいです。

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無礼講にご用心。

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エスカレーターを駆け上がりホームに到着したての電車に飛び乗った。

帰宅ラッシュには少しだけ早い時間帯だと思ったのだけれども、

その電車内はラッシュと言えるくらいには混雑していた。

1日歩き回った程よい疲労感をまとい電車に揺られていると

背後からお酒の席での出来事を話す女性グループの話が耳に届いた。

「無礼講」の席で失態を犯してしまった若手社員の話をしていた。

本来ならば、その声の大きさに眉をひそめる人がいてもおかしくないのだけれど、

噂話や愚痴になってもおかしくない話題が、

登場人物たちへの愛に溢れたポジティブなものに代わっていた。

きっと皆、知らぬ間に彼女の話術にはまってしまっていたのだと思う。

私の隣のご婦人は小さく肩を揺らしながら私に目配せをした。

 

「無礼講で」と言われたお酒の席で羽目を外して失敗してしまったと言う話は

それなりに耳にするし、そのような場に居合わせてしまうこともあるものです。

私、このような状況を見聞きするとき、

失態を犯してしまう原因は、「無礼講」という言葉の意味の取り違えではないのだろうか、と思うのです。

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「礼講」という言葉は、神事を表しています。

具体的には、神様にお酒を捧げたあと、

そのお酒を年長者から順にいただくというような儀式のことです。

このような儀式は、礼儀、礼節を重んじるので「礼講」と呼ばれていました。

そして、この儀式の後は「礼講が無い(解除された)宴」を皆で楽しみましょう、

という意味で「無礼講」という言葉が存在しています。

ですから、年長者や上司の方が「無礼講で」と仰るとき、

それは、堅苦しさは抜きにして、この時間を、お食事を、お酒を

皆で楽しんで欲しいという心遣いの言葉なのです。

礼儀、礼節一切不要と言っている訳ではないのですけれど、

どうしてでしょう、時に人は大きく気が緩んでしまうのものなのでしょうね。

 

このような失態は現代人だけではなく、先人たちも犯しています。

この様子がしっかりと記されている『太平記』という書物があります。

眠たくならない程度に「無礼講」視点のみにフォーカスしてサクッとお話しますと、

鎌倉時代のお酒の席は、

座る場所からお酌の順番まで身分によってお作法が細かく決められていました。

これを、「今宵の宴は無礼講にしよう」と初めて言ったのは後醍醐天皇だと言われています。

後醍醐天皇の言葉を受け、

その場にいた人たちは身分が分かるものを脱ぎ捨て宴を始めたといいます。

 

何のために、このような提案を?

 

この時の宴は重要なある計画について本音で話し合う必要がある宴でした。

同時に、この宴が密議であることが外部の人間にバレてしまわぬよう

カムフラージュする必要もあったのです。

一見、身分と言う名の垣根を超えた、充実した密議になりそうに思われますが、

普段から礼儀、礼節等に縛られていた彼らが、

突然、それらから解き放たれたらどうなるか。

彼らは羽目を外し過ぎてしまい、この計画は外へ漏れ、処刑された人も出ました。

その後、後醍醐天皇が行った礼儀、礼節を取っ払った宴に目を丸くした人々は、

これを「無礼講」と呼ぶようになったようです。

こちらは「無礼講」の語源というよりは、

「無礼講」という席の時ほど気を引き締めなくてはいけないという

戒めとなるエピソードと言った方がよさそうですね。

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春は見送ったり見送られたり、迎えたり迎えられたり、お酒の席も増える季節です。

相手あってこそのコミュニケーションですので、

皆様、無礼講にご用心、でございます。

そして、楽しい時間をお過ごしくださいませ。

画像出典:https://jp.pinterest.com/

ホワイトデーは、あのエピソードの後日談がきっかけ。

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ホワイトデーを前にしてワタクシ、

毎年バレンタインデーにチョコレートなどを贈ってくれる

遠方に住む友人へのお返しを考え始めたところです。

相手の喜ぶ顔を想像しながら考える楽しい時間でもあるのだけれど、

趣味嗜好を知り尽くしているからこその難しさ。

どうしようかな、何にしようかな、と嬉しい悲鳴をあげています。

日本では2月14日のバレンタインデーに贈っていただいた贈り物に対して

3月14日にお返しをするという風習が定着していますが、

本来はバレンタインデーの後日談が起源になっていることをご存知でしょうか。

今回は、ホワイトデーにちなんだお話をいくつか。

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昨年、バレンタインデーの起源をご紹介させていただきました。

※詳細は過去記事をご覧ください。

簡単にご紹介しますと、バレンタインデーのもとになったバレンタイン司祭は、

当時のローマ皇帝クラディウスが発令した「恋人たちの結婚を禁止する」という禁止令に背き、

恋人たちを密かに結婚させていたのです。

しかし、このことが皇帝の耳に入り、2月14日に処刑されてしまいました。

 

バレンタインの殉死から約1か月ほど経った3月14日、

彼によって結婚することができた恋人たちは改めて永遠の愛を誓い合ったのだそう。

このエピソードは世界中に広がり、語り継がれていました。

当然、日本にもこのエピソードは届いたわけですが、

このエピソードに素早く反応したのが、日本の全国飴菓子工業協同組合だったのだそう。

 

日本ではバレンタインデーが定着し、

男性がバレンタインデーのお返しを贈る習慣も定着しつつありました。

そこで、この組合は、3月14日をバレンタインのお返しにキャンディを贈る日とし、

白は純潔や幸せの象徴だということで、この日をホワイトデーと名付けたのだそう。

これが私たち日本人お馴染みの日本で誕生したホワイトデーの起源です。

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随分と月日が経っているのですが、

ホワイトデーは日本で誕生したイベントだということを肌で感じた出来事がありました。

ある日、日本の漫画が大好きだというイギリス人の友人に、このようなことを尋ねられたのです。

漫画に出てくるホワイトデーって何?

日本では本当にこういうイベントがあるの?

どうして、この漫画の主人公はチョコレートの何倍もする金額のものを女の子にプレゼントしなくてはいけないの?どうして金額が決まっているの?と。

友人が手にしていた漫画を覗き込むとホワイトデーのエピソードでした。

そして、「2倍返しをしなくては、3倍返しをしなくては、その為にはアルバイトをしなくては」

と言った内容が描かれていました。

日本にはそのような風習があるのだと何度説明をしても、

腑に落ちない顔をする友人を見て、本当に日本独自の風習なのだなと感じました。

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バレンタインデーもホワイトデーも日本での始まりは、

お菓子をもっと手に取って欲しいという目的だったのかもしれないのですが、

素直な想いを愛する人や大切な方々に告げるきっかけになるのであれば、

シャイな日本人にとっては良かったのではないかしら。そのようにも思います。

「いただいたのだから、お返しを」という流れも、

もしかしたら、律儀な日本人には馴染みやすかったのかもしれませんね。

バレンタインデーやホワイトデーのスタイルも時代と共に変化しています。

こうあらねばという過去のルールも然り。

今年のホワイトデーは大切な仲間と、ご家族と、愛する方と、

甘いものでホッとひと息、温かい気持ちを共有してみてはいかがでしょうか。

お好きな甘さで、まあるい時間をお過ごしくださいませ。

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