幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

頬を刺すような冷たい風も、今だけのお楽しみ。

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電車の通路を挟んで真横に位置している座席スペースに、外国人観光客の家族連れが座っていた。

大きなスーツケースと同じくくらいの背丈の男の子が2人いたのだけれど、ひとりは母親の膝の上に座り、絵本を読んでもらっていた。

もうひとりは、父親の膝の上に座り、外国で発行されている日本のガイドブックのようなものを覗き込んでいた。

この手の本、実はとても興味深いものである。

私も外国人の友人にそれらを見せてもらったことがあるのだけれど、

日本人である私が知らない日本が、細かく紹介されていることも多く、読み物として成立するようにも思う。

しかし、そこは外国人の方の感性や視点で作られた本であるため、

初めて見聞きするような内容が、日本での一般常識や風物詩などとして紹介されており、大笑いすることもあった。

きっと、日本で発売されているガイドブックのようなものの中にも、このような大笑い要素が紛れ込んでいるのだろう、

そのようなことを思いながら、母親が読み聞かせをしている絵本の所々を耳で追った。

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しばらく電車に揺られていると今度は、父親が息子に、「日本は南国なのに雪が降るんだって」と話す声が聞こえた。

出身地によっては雪に縁がない方もいらっしゃるけれど、日本には雪が降る。

このことを私たちは、当たり前のことだと思っているのだけれど、

外国の方々からすると、日本に雪が降るのは、とても不思議なことだと感じると聞いたことがある。

私が、このような話を聞いたのはヨーロッパの方々からなのだけれど、

彼らにとって日本に対して南国のイメージを持っているというのだ。

南国のフルーツや植物が十分に育つ国なのに、スキーやスノーボード、その他の雪遊びを楽しむことができるということが、すんなりとは理解できなかったのだろう。

「日本は南国なのか?それとも雪国なのか?」という二者択一を迫られたことがある。

以前、こちらで触れた紅葉の話題にも通じるところがあるのだけれど、

日本には四季があるだけでなく、その季節の移り変わりを感じられることや、

季節の中で見て感じられること全てが、私たちが思う以上に神秘的なことのようである。

雪も季節の風も、どのような時期に、どのようなルートを通って吹くのか、日本の地形も含めた様々な条件が合わさることで、

本来ならば同時には体験できないような、両極にあるようなものを体験できているようなのだ。

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当たり前のように身を置いている、毎年の季節の流れの中から神秘さを感じとることは、難しいように思うこともあるけれど、

そのような視点で目の前の景色や気温を感じてみると、寒くて冷たい冬も、いつもよりもう少しだけ深く楽しめるような気がしている。

頬を刺すような冷たい風も、熱々の飲み物にホッとできるのも、温かい毛布に包まったときに感じる幸せも、ある意味、今だけのお楽しみ。

もうしばらく続く冬を、存分に体感してみてはいかがでしょうか。

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夢の中に現れた人物に対して思うこと。

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毎日何かしらの夢を見ているようなのだけれども、初夢がどのような夢だったのか、もう思い出せない。

初夢は、「大晦日から元日に見た夢」を初夢として扱う以外にも、

「元日の夜に見た夢」、「2日の夜に見た夢」を初夢と扱うなど諸説ある。

これは、いつ見た夢を初夢として扱うのか、時代によって異なっていたことの名残のようなものだという。

江戸時代前半くらいまでは、「大晦日から元旦に見た夢」を初夢として扱っており、

江戸時代半ば以降から現代に至っては、「2日の夜に見た夢」を初夢として扱うことになっているようだ。 

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夢と言えば、昨年、『夢の解釈と恋心。』という記事を読んでくださった方から、素朴な疑問をいただいた。

その疑問というのは、思春期の男の子は、ファンでもないアイドルなどが夢に出てくると、

どういう訳だか大ファンになってしまうことがあるのだけれど、女性も同じなのだろうか?というもの。

私自身は、そのような夢を見たことはあるのだけれど、

登場した方のファンになるどころか、どうしてアナタがでてくるのだ!?どうしてしまったんだ、私!?と、とても分かり易くガッカリしていることに気が付いた。

そして、男性が持っているピュアな側面と、女性が持つ現実的な側面の表れなのだろうかなどと思考を巡らせていたのだけれど、

とても面白いトピックだったため、その日以降、私の周りの男性陣と女性陣に質問しまくったのである。

時に、初対面の方との雑談の中にもこのトピックを盛り込むなどして過ごすこと半年ほど。

正式な調査結果と言えるようなものではないのだけれど、

確かに、男性と女性では夢に登場した異性に対して抱く感情は異なる傾向にあるようだ。

話を聴いていて興味深かったのは、男性の場合は、夢に登場した異性が自分好みのタイプである、なしに関わらず、

ファンになる、ファンになるとまではいかないけれどテレビで目にすれば少し気になる、といった声がほとんどだったのに対し、

女性の場合は、自分の好みのタイプであるか否かによって、そのリアクションがキッパリと別れるところだ。

『夢の解釈と恋心。』でも触れた小町ちゃん(※)も、想い人が夢に出てきたからこその、あのリアクションだったのだろうと、改めて腑に落ちたように思う。

※幸せのレシピ集内では、正式名称・小野小町のことを、親しみを込めて小町ちゃんと呼んでいる。

もし、想い人ではない異性が、彼女の夢に登場したとしたら、あの冷静で鋭い感性を持った小町ちゃんは、どのような和歌を詠んだのだろうか。

その和歌に触れるのは少し怖いような気もするが、怖いもの見たさでのぞいてみたい気もしたりして。

夢の感じ方ひとつをとってみても、男性と女性は別物であるということなのかもしれないけれど、

どちらのリアクションも、ある意味素直で愛おしい。

そのようなことを思ったトピックである。

トピックを提供してくださったkazebikeさん、ご報告が遅くなりましたが、今回は、このような結果に着地しました。

楽しい時間をありがとうございました。この場をお借りして、お礼申し上げます。

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ご挨拶|2019年もよろしくお願い致します。

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初春のお慶びを申し上げます。

こちらへ足を運んで下さる皆様のおかげで、

幸せのレシピ集は無事に新しい始まりの日を迎えることができました。

こうして、新年のご挨拶ができること、とても嬉しく思っております。

ありがとうございます。

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昨年の年明けは、“向かい干支(守り干支とも)”のお話をさせていただいたようですね。

干支を意識するのは、この時季ならではのような気も致しますので、

今年も干支のお話で幕開けをと思っております。

今年の干支は?と問われれば、亥年と答えるかと思いますが、

これは12種の動物で数える十二支と呼ばれるもののみで見たものを指しています。

本来、干支と呼ばれるものは、この十二支と「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の数えである十干(じっかん)と呼ばれるものを組み合わせて出したものだと言われております。

なかなか読みにくい十干(じっかん)ではありますが、この文字の並びは、

御神籤や神社の貼り紙、占いなどで、何となく目にしたことがあるのではないでしょうか。

 

十干(じっかん)も十二支と同じように、ひとつずつ巡っていくのですが、

自分が生まれた年の干支と十干の組み合わせが再び巡ってくるのは、60年に一度という計算です。

このような視点で干支を見てみますと、還暦を迎えるということが今までよりも、もっと特別なことに感じられるのではないでしょうか。

2019年の今年の干支は、一般的には亥年と省略されておりますが、もう少し深く見るならば己亥年です。

今年還暦を迎える方が身近にいらっしゃいましたら、このお話を思い出していただき、温かい気持ちでお祝いして差し上げて下さいませ。

そして、「猪のお肉には様々な病を予防する力がある」「元気がでるお肉だ」などと言われてきたことがもとになり、

古より無病息災のシンボルとして大切にされてきた猪が干支を務める亥年は、病気になりにくい無病息災の年だと言われております。

とは言え、何でもありという訳ではないでしょうから、

心身共に元気に過ごせるよう、自分の体が発する声に耳を傾けつつまいりましょうね。

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皆様と皆様の大切な方々の1年が、

心豊かで笑顔いっぱいの、幸多き1年になりますよう

心からお祈り申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

かしこ

2019.1.7

柊希

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ご挨拶|2018年もありがとうございました。

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本年も、残すところ数日というところまできまして、

こうして年末のご挨拶をさせていただけることを、とても有難く思います。

直接お会いできる方、できない方といらっしゃるのですが、

今年も多くの方々に支えていただき、お力をお借りしながら過ごしてまいりました。

幸せのレシピ集へ足を運んで下さった皆さんも私にとって、支えていただいた大切な方です。

おひとり、おひとりに直接お礼を申し上げることはできませんが、

おひとり、おひとりのアクションが私の心の葉脈に、ビタミンとして行き渡りました。

とても感謝しております。この場をお借りしまして、お礼申し上げます。

ありがとうございます。

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季節は嫌でも巡ります。

それならば、何度だって、青春も朱夏も白秋も玄冬も味わえばいいと思うのです。

もちろん初めての青春と二度目の青春は、全く同じではないでしょうけれど、

その時々の自分に相応しい青春を何度でもバリエーション豊かに、カラフルに。

その時々に経験したからこそ広がる、新たな日々や季節の舵は自分が握って。

 

ものごとは自分のものの見方ひとつで様々な色づき方をすると思うのです。

365日、24時間、常にカラフルである必要はないけれど、

次に巡ってくる季節を楽しみに思う気持ちは、いつでも取り出せる場所に忍ばせて。

自分自身と自分の未来を信じられる自分で居るためにも、

心しなやかに、身体健やかにありたいと思いながら、年の瀬を迎えております。

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2019年も、皆さんの日々の中で何かしら感じていただけるようなお話を、

心が、ほんの少し豊かになるきっかけを、

必要な方の元に、必要なタイミングで届く愛のある言の葉を、

想いを込めて紡いでいけるよう、わたくしも精進致します。

時折、わたくしの脳内劇場などの諸々にもお付き合いいだけましたら幸いです。

改めまして、2018年も、ありがとうございました。

お付き合い頂いた全ての皆さまに、心からの「ありがとう」を込めまして。

良いお年をお迎えくださいませ。

かしこ

2018.12.28

柊希

※2019年の再開は1/7からです。

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大人のお作法|この機会に、コサージュの意味を確認しておきませんか。

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アクセサリー売り場を歩いていると、特設されたであろうテーブルの上に、華やかなコサージュが並べられていた。

その種類の豊富さから、卒業式や謝恩会、入学式などの準備が始まる時期に突入したのだろうと思った。

これは私個人の好みの問題なのだけれど、正直に言うと、コサージュは少々苦手である。

それでも、フォーマルな場では、お作法としてコサージュが必要だと感じることもあるため、時々、売り場をのぞいている。

今回は、コサージュが持つ意味、身につける意味などのお話を少し、と思っております。

近々、コサージュを付ける機会があるという方、

私と同じようにコサージュは苦手だけれども、意味合いは知っておきたいという方を含め、

ご興味ありましたら、お付き合い下さいませ。

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コサージュは、卒園式や卒業式、入園式や入学式、結婚式に発表会、その他お祝いの場で身に着ける花飾りですが、コサージュには2つの意味があります。

まずひとつめは、コサージュを付けることで、日常とは異なるフォーマルな場に出席していることを意味し、

ふたつめは、「あなたを(あなた方を)祝福します」という意味が含まれております。

コサージュは、古のフランスで貴婦人たちが小さなボトルに挿した生花を胸に付けて、

お祝いのパーティーへ出席したのが始まりなのだそう。

今のような技術が無かったため、胸元に小さなボトルをぶら下げるススタイルのコサージュだったようですが、

皆でお花を身に着けることで、パーティー会場に、祝福の気持ちと共に素敵な香りを漂わせ、

その場をより素敵な空間にする心配りだったと言います。

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コサージュと言っても素材の種類が豊富な昨今ですので、中には生花で作ってもらうという方もいらっしゃるかと思います。

シチュエーションや立場によっては、生花のコサージュも可能ですが、

結婚式にお招きいただく側の場合は、生花のコサージュは花嫁の特権だと言われておりますので、参列者は造花タイプを選ぶのが良いとされています。

そして、コサージュを付ける位置は、右胸でも左胸でも構わないようですが、

フォーマルな場に出席している方々の様子を見ていますと、左胸に付ける方が多いことに気付かれるかと思います。

これは、人の視線は向かって右側に向く傾向が高いため、

相手の目に留まりやすい左側に付けることで、多くを語らずとも、お祝いの気持ちを相手に伝えることができるという見方や意図もあるようです。

以前、人の視線は向かって右側に向く傾向が高いため、メイクをする際には左側を意識しておくと良い、という話題に触れたことがありますが、同じ視点かと思います。

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このような背景で生まれたコサージュですが、本来の意味は「あなたを(あなた方を)祝福します」です。

ここを抑えておきますと、どのような色、サイズ感、バランスのコサージュを選べばよいのか、自ずと判断が付くのではないかと思います。

自分に似合う、似合わない、好き、嫌など、感じることは人それぞれではありますが、

祝福する気持ちを表すアイテムとして、自分らしくコーディネートしてみてはいかがでしょうか。

すぐに使うことができる知識ではありませんが、大人のお作法ということで、

ここぞというシーンでは、記憶の片隅から引っ張り出してお役立ていただけましたら幸いです。

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風習と赤色のチカラを取りこんで。

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冬至の日、準備しておいた柚子を湯船に浮かべ、柚子風呂を楽しんだ。

柚子を購入した際に、柚子を入れる柚子袋もいただいていたのだけれど、

あの丸くて黄色い物体が、湯船にぷかぷか浮く姿を見ないままの柚子風呂は、何だか物足りないようにも思えたものだから、

袋は使わずに、丸ごとボトンッと投入した。

香りは、そのままでも十分に楽しめるけれど、柚子が温められて皮が柔らかくなった頃、

果汁が少し出してしまうくらいにギュッと握ってしまうのは、子どもの頃からの癖が抜けずにいるように思う。

柚子風呂は湯冷めしにくいと言われているけれど、確かに成分として、そうなのだと思うけれど、

爽やかな香りから離れがたく、無意識に普段よりも、じっくりと湯船に浸かってしまうことも、湯冷めしにくい要因のひとつではないかと、柚子の香りを吸い込みながら思ったりもする。

この時季ならではの贅沢な柚子風呂が好きで、毎年、少し多めの柚子を用意し、2日間ほど楽しむのだけれど、

今年は柚子が傷んでしまっており、1日のみの柚子風呂になってしまったことが残念である。

今の私たちにとっては、先人たちの風習が時に手間暇がかかり、面倒に感じることも無いわけではないのだけれど、

実際に体験してみると思いの外、心豊かな時間となるように思う。

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先人たちの風習と言えば、冬至や小正月に「小豆粥(あずきがゆ)」を食べるというものがある。

もとは古の中国の風習なのだけれど、平安時代の頃には、一年間の邪気祓いと無病息災を祈る宮中行事となっており、

清少納言の「枕草子」や、その他の書物などにも小豆粥が登場する。

日本で「赤色」は邪を祓う力や生命力が宿っている色だと考えられていたのと同時に、

食材にも不思議な力が宿っているとも考えられていたため、

赤色をした小豆を、冬至や小正月といった節目に小豆粥として食べることで、

様々な赤色に宿る力を取りこむことができるということで定着したようである。

私は、この時季のお粥と言えば七草粥のイメージが強いため、これまで自宅で小豆粥を経験したことはない。

一度くらいはと思ってはいるものの、今年の冬至も機会を逃してしまったため、

来年の小正月(1月15日)には、小豆粥を経験してみようと、市販の茹で小豆缶を準備したところだ。

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元日から七日までを大正月と呼ぶのだけれど、大正月の終わりには七草粥で胃腸を整え、

1月15日の小正月には、新たな1年の邪気祓いと無病息災を願って小豆粥を召し上がってみてはいかがでしょうか。

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ジャムとスコーンの甘い香りと共に思い出すこと。

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少し前に、ヨーロッパを旅行中だという友人から、滞在中である街並みの写真が送られてきた。

街全体がクリスマスに包み込まれた、私にとっては少しばかり懐かしいと感じる風景だった。

真っ先に感じるのは華やかさや煌びやかな空気なのだけれど、年中行事本来の意味を知ると、その奥にある厳かさも同時に感じられるように思う。

あの頃は慣れない土地で、楽しいことも、たまに訪れるそうでないことも、それら全てを「経験だ」と思いながら過ごしていたように思う。

そして、その国で古くから受け継がれている年中行事を経験する度に、

自分の国にもあるはずであるそれらを十分には知らない自分や、知っているつもりでいる曖昧な自分を意識させられたりもした。

しかし、知らないものはこれから少しずつ、楽しみながら知っていけばいいだけの話であり、それを始めるのに、早いも遅いもない。

いつだって、何度だって、新しい一歩は踏み出せると思うようになったのも、あの頃だったように思う。

そのようなことを話し、楽観的だと笑われたこともあるけれど、悲観的で目の前を暗く染めてしまうよりいいじゃないか、と思う。

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当時、そのような気持ちを抱きながら、知り合いのシェフたちと共にフルーツジャムとスコーンを大量に作ったことがある。

全ては、クリスマスプレゼントとして地域のお年寄りや、教会を訪れた人たちに配るためのものだ。

私は、その量の多さから、地域イベントの一環でジャムやスコーンを担当することになったのだろうと思っていたのだけれど、

自主的に行っていることだと聞いて驚いたことを覚えている。

誰もがしていることではないけれど、地域によっては、お店で購入したものではなく、手作りのものや自宅で収穫したものなどを贈り合う習慣があるのだと言っていた。

そして、この習慣の意味は、クリスマスや年末に食べ物に困る人がいないように。

お腹を空かしたまま過ごす人がいないように。

皆の手元に食べ物がありますように。という思いで気持ちを分け合うためのものなのだそうだ。

この時季、ジャムやスコーンを口にすると、当時のキッチンに広がっていた甘い香りとリンクするのか、この話を思い出す。

そして、様々な気持ちが胸の中に広がっていくのだ。

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Merry Christmas!

今日も、ここへ足を運んでくださった皆さんと、皆さんの大切な皆さんが笑顔でありますように☆彡

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遺伝子組み換え食品って、どのような食品のこと?

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とあるお店の前を通ったらシャッターが下りていた。

それくらいのことに反応することは滅多にないのだけれど、その日は違った。

初めて目にした、そのシャッターには大きなフランケンシュタインが描かれていた。

しかも、なかなかリアルなフランケンシュタインである。

私は、ハロウィンの名残りだろうかなどと想像を巡らせつつ、お店を通り過ぎた後もしばらく、あの場所は何のお店だったかしら?と考えを巡らせていた。

フランケンシュタインと言えば、数日前、フランケンフィッシュという言葉を初めて耳にした。

フランケンフィッシュとは、遺伝子の組み換えが行われた魚のことだという。

人の手によって遺伝子の組み換えが行われた様が、まるで人の手を加えて作られたフランケンシュタインのようだと言って、そうと呼ぶ人がいるのだそうだ。

遺伝子が組み換えられた食材には、メリットもデメリットもあるのだけれど、それらがどのようなものか、じっくりと知る機会は意外と少ないように思う。

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今回は、良い、悪い、使う、使わない、の前に「そもそも遺伝子組み換え食品って、どのような食品だったかしら?」というおさらいも兼ねて、

遺伝子組み換え食品のことを簡単に、サクッとのぞいてみようと思っております。

ご興味ありましたら、この機会に脳内整理をご一緒しませんか?

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日本でも古くから植物や果物、野菜や動物の品種を掛け合わせているけれど、

これらは、同じ種類の植物や果物同士を掛け合わせたり、

例えばミカンとグレープフルーツのように近い種類のもの同士を掛け合わせていたのだそう。

しかし、遺伝子組み換えと呼ばれている方法では、植物と果物を、植物と動物をといった風に、

カテゴリーやジャンルを超えたもの同士を掛け合わせることができ、

これは、何か特別な栄養素を人の手によって含ませた食材や、通常よりも何倍も早く成長する動植物などの開発も可能となるのだそう。

これによって、食料難を回避することができたり、害虫に強い農作物を作ることができたり、

自然災害の影響を受けたとしても、すぐに収穫できることによって人々の生活が安定するといったメリットがあるのだけれど、

本来は絡み合うことのない動植物同士の遺伝子を、人の手によって結びつけるので、

成長や機能、その他に不具合も生じるそうで、これを回避するための、自然界には存在しない不自然なものも一緒に組み込まれるのだとか。

しかし、何がどう、遺伝子レベルや細胞レベルで誤作動するか分からないため、

今はまだ、「人の予想をはるかに超える危険なことは起こらない」とは言い切ることができない領域の技術が遺伝子組み換えだという。

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遺伝子組み換えによって作られた食材や食品の、メリットやデメリットなどを確認したところで、私たちの食卓をのぞいてみると、

日本に輸入が許可されているものは、大豆、とうもろこし、菜種などを含めた8種類ほどなのだそう。

日本では、遺伝子組み換え作物の栽培自体は禁止されてはいないけれど、

この点に関しては慎重な姿勢が強いようで、全国に流通してしまうような形での栽培は行われていないのだとか。

ただ、日本は大豆を輸入に頼っているため、国外から入ってきた遺伝子組み換えの食品摂取量が意外と多い国なのかもしれない。

私は、あれもこれもと細かく覚えておくのは大変なので、よく口にするもの、キッチンに常備しているものを購入する際には、

できるだけ国産の農作物を原料としているものや、遺伝子組み換えではないと明記してあるものを選ぶようにしている。

もちろん、これが完璧だとは思っていないのだけれど、

遠い未来の自分や大切な人の体を労わることに繋がるのであれば、無理がない範囲内で出来ることを、と思う。

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ものごとには、メリットもデメリットもあるけれど、それをどう使い、どう選ぶのかは個々の自由なので、

遺伝子組み換えによって生み出されたものが、どのようにしてできたものなのか、知るきっかけにしていただけましたら幸いです。

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「かぶ」は一石二鳥である。

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今年は、「かぶ」を口にする機会が多い。

秋が深まってきた頃に手を伸ばした小かぶに始まり、大かぶ、赤かぶと楽しんでいる。

そして現在、我が家の野菜室には聖護院かぶらが、その時を待ち構えている。

生で食べても火を通しても甘くてジューシーな「かぶ」は、口にした瞬間にどこかしら、人の気持ちを穏やかするような気がしている。

そして、わしゃーっと伸びたしなやかな茎と、柔らかい葉までもが様々な調理に使うことができる上に、栄養豊富だ。

しかも、私たちが「かぶ」と呼んで親しんでいるこのお野菜、

日本書紀には「菘(すずな)」の名で登場し、七草のひとつとしても古から親しまれているものである。

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幸せのレシピ集では、時々、季節のお野菜やフルーツにも触れております。

どのような食材も、私たちにとってはパワーフードなのですが、お野菜は、旬を迎えますと栄養価がグンと上がり、美味しさも増します。

今回は、今が旬である「かぶ」にフォーカスします。

柊希の脳内整理も兼ねておりますが、ご興味ありましたら、ちらりとのぞいていって下さいませ。

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「かぶ」と言えば、葉っぱが付いたままの姿で売られていることが多いですが、

丸い実は淡色野菜として、葉っぱは緑黄色野菜として扱われており、

ひとつのお野菜で淡色野菜と緑黄色野菜の栄養摂取できるという特徴があります。

ですから、この双方の栄養を余すことなく、美味しくいただきたいのですが、購入したときの状態のまま保存してしまいますと、

丸い実の部分の水分を葉っぱが吸い上げて実の部分の瑞々しさが失われてしまいます。

購入後、すぐに使わない場合は、実と葉っぱを切り離して保存しておくと良いようです。

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前置きが長くなりましたが、本日の本題である栄養面です。

非常に豊富な栄養が含まれている「かぶ」ですが、全てをおさらいしますと特徴が掴み難いかと思いますので、

この時季の私たちの体に必要な栄養素に注目したいと思います。

1番の特徴は、「かぶ」の実に含まれている消化酵素のアミラーゼです。

七草のひとつにも挙げられているくらいですからイメージしやすいかと思いますが、

「かぶ」には消化と栄養の吸収を手助けし、胃腸を整えてくれる栄養素が含まれています。

ただ、この消化酵素は熱に弱いため、「かぶ」で胃腸を整えたい場合は、加熱しすぎないように注意する必要があります。

とは言っても、「かぶ」は加熱しても美味しい食材ですし、他の栄養素はしっかりと摂ることができますので、

胃腸を整えることを意識したい場合には、生のままでサラダなどに混ぜ込むと良いということを覚えておきますと、栄養面での使い分けが楽になるのではないかと思います。

 

そして、緑黄色野菜の栄養素を豊富に含んでいる茎や葉っぱ部分ですが、

ここには、βカロテンやカルシウム、カリウム、ビタミンCなどが、たっぷりと含まれています。

β-カロテンは小松菜に匹敵するほどだと言われ、カルシウムは小松菜以上なのだとか。

更に、カリウムは、体内の余分な塩分を体外へ運び出す手助けをしてくれる栄養素でお馴染みですし、

ビタミンCはケールにも劣らないほど含まれているという専門家もいらっしゃいます。

また、葉っぱには、ちょっとした辛みが感じられますが、あの辛味成分は、殺菌や細胞を錆びつかせる活性酸素を取り除く手助けもできるのだとか。

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丸い実の部分で胃腸を健やかに整え、

茎や葉っぱの部分で美容と健康の底上げができるお野菜が「かぶ」です。

この時季は胃腸を酷使しやすいので、七草粥までノンストップで走らずに、

七草のひとつでもある「かぶ(菘・すずな)」を、小まめに摂取して胃腸を労わっておくのも手ではないでしょうか。

お薬などに頼ることもあるかと思いますが、できるだけ自然のもので健やかに整えられたなら、体の負担も少なく済むように思います。

今日、私たちが口にしたものは3か月先の体を作っていると言われております。

楽しく、美味しく、健やかにまいりましょうね。

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漆のように重ねる日々。

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とても上手に、世界中で大切にされている素敵なイベントを取り入れる日本で暮らしていると、楽しみがあるという幸せを感じつつも、

時折、イベントに追われているような錯覚に陥ることもある。

そして、時期が分散していればいいのにと身勝手極まりないことを思ってみたりもする。

外国人の友人が、日本はテーマパークのような国だと言ったことがあったけれど、

これだけ世界の様々を楽しむことができる国は、確かに珍しいのかもしれない。

もとは、自国のものではないけれど、それを知ってみよう、楽しんでみようとして、実際に思いっきり楽しんでしまう辺り、とても自由で平和な国であるように映る。

そのようなことを思いながら、クリスマスインテリアに囲まれながら、少しずつお正月の準備を始めた。

 

この日に取り出したのは、年中行事のときに使用している漆、漆器類だ。

「漆塗り」というと、丁寧に扱わなくてはいけないから使いにくいし、漆も直ぐに剥がれてしまうというイメージを持っている方も多いと聞く。

しかし、漆は、何層にも丁寧に重ね塗りされているだけでなく、

漆そのものに断熱性、耐水性、防腐性があり、私たちが使う調味料による刺激にも強く、

洗う時も、食器洗い専用の中性洗剤を使って軽く撫で上げるだけである。

特別な日専用として収納スペース奥に追いやられてしまうことが多いけれど、

このように、日常使いにも耐えられるだけの丈夫さがあり、使うほどに、艶が増し、素敵な漆器に成長する特徴がある。

注意しなくてはいけない点と言えば、紫外線くらいだろうか。

私は、漆塗りのランチョンプレートをお正月の装飾に使用した状態で窓際に置きっぱなしにし、

陽射しが当たっていた部分を変色させてしまったことがある。

お気に入りだったこともあり、漆の塗り替えを職人にお願いしたのだけれど、新品同様に復活した状態で戻ってきたそれを見て、思い出したことがある。

以前、数百年前に使用されていた漆器でお茶を振舞っていただいた事があるのだけれど、

お茶菓子が乗せられていた漆器は、どこをどのように見ても、数百年も昔のものだとは思えない程きれいで、粋な器だったことを。

あの器も、何人もの漆職人の技術によって時代を経てきたものだったに違いない。

海外で漆や漆器は、日本を代表する工芸品のひとつとしての知名度が非常に高く、収集家も多いと聞くけれど、

本当に気にいっているものであれば、このようなお手入れを加えながら時代を越えて愛用し続けられる点も、漆器類の醍醐味であるように思う。

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そう言えば、漆職人の方の話によると漆塗料のもとの色は透き通った茶色をしているという。

ここに顔料を混ぜ、艶やかで華やかな朱色などを作っているそうなのだけれども、

深みと光沢を兼ね備えた黒色は、顔料の代わりに鉄を混ぜて作るという。

じゃぁ、黒い漆塗りは鉄の色なの?と思ったのだけれど、

この黒色は、混ぜ込まれた鉄が酸化するときに、茶色い漆塗料を黒く変色させることで生まれる色で、

漆でしか作ることができず、他国でも見ることができない、日本ならではの「黒色」なのだそうだ。

これだけ色が溢れている世界に慣れてしまうと、似たような色を簡単に探し当てられる気がしてしまうけれど、貴重な、一期一会の色である。

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年末年始は、漆製品を目にする機会、触れる機会もあるかと思います。

そのような時には、今回のお話の中の何かしらをチラリと思い出していただけましたら幸いです。

今年も残り少なくなってまいりましたが、漆のように、日々を丁寧に重ねてまいりましょ♪

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