友人から不意に投げかけられた。
「カップ麺って、どのくらいの頻度で食べる?」と。
嫌いではないし美味しい物も多いけれど、自分で買って食べることはほとんどない、
と答えると更に質問が続いた。
今は、カップ麺と言っても安全性も高く栄養面やカロリー面に考慮したものが多く、
カップ麺は体に悪いとは言い切れないのにどうして?と。
今回は「インスタント食品や加工食品に思ふこと|リン酸編」と題しまして、
インスタント食品に使用されているリン酸を柊希視点で覗いてみたいと思います。
私はカップ麺やインスタント食品を完全に否定しているわけではありませんので、
口にすることもありますが、日常的に購入したり食べたりすることはできる限り控えています。
理由はいくつかあるのですが、その中のひとつにリン酸の過剰摂取を避ける目的があります。
「避ける」と言う表現を使いますと、リン酸が有害なもののように誤解されてしまいますので、
「リン酸」を少しご紹介させていただきますね。
リン酸は元々、私たちの体内に多く存在しており、
歯や骨を作るときには欠かすことができない大切な物質です。
ですから、私たちの体はリン酸を不足させてはいけません。
それならば、リン酸を含んでいるインスタント食品をたくさん食べてもいいのでは?
と思いがちなのですが、このリン酸。
過剰摂取してしまいますと、次のような状態を引き起こします。
まずは、成長過程の子どもに対しては発育の邪魔をします。
成長しきった大人に対しては骨粗しょう症の原因になります。
他にも、腎臓の石灰化や結石を引き起こす原因や腎機能低下の原因にもなりますし、
ミネラルが不足することで味の変化に疎くなったり、
何を食べても苦みを感じるようになったり、と味覚がぼやけてきます。
これらは、リン酸がカルシウムの吸収を邪魔したり、
吸収されるはずのミネラルが摂取されなかったり、
骨に含まれているカルシウムを排出してしまうことなどが理由です。
リン酸とカルシウムはタッグを組んで骨の代謝を活性化させているのですが、
この良い状態をキープさせるためには、
リン酸とカルシウムの摂取バランスを1:2程に保つことが理想なのだそう。
見えない物質のバランスを取ることは難しいのですが、
極々一般的な食事ではこのバランスが崩れることはないと言われています。
そして、このバランスが崩れるのだとしたら、
インスタント食品や加工食品などからリン酸を摂取したときだと言われています。
リン酸は、どのような食材にも含まれているのですが、
お肉やお魚などのタンパク質には特に多く含まれています。
そして、インスタント食品や加工食品に使用されている「リン酸」は種類が多い上に
乳化剤、結着剤、酸味料、ph調整剤といった使用目的のみの表記が許されていることもあり、
私たちが細かく摂取量を把握することは難しい状況です。
更に、リン酸の添加可能量は定められていない為、
食品を作った会社によって使用量が異なる状況でもあります。
ざっくりと覗いてみただけですが、
誰もが過剰摂取になる状況だということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
じゃぁ、どのようにして体内バランスを保てばよいのか。
私自身は、このようにしています。
バランスの良い食事を心がけることは大前提なのですが、
インスタント食品や加工食品に頼らなくても良い状況の時には頼らずに済む方を選択する。
時にはインスタント食品や加工食品を口にすることもありますし、
避けられないシチュエーションもあります。
自分で選んで購入する時には成分表を確認し、
「リン」の文字や、乳化剤、結着剤、酸味料、ph調整剤の文字が少ないものを選ぶ。
リン酸の種類は多すぎて私も全て覚えてはいないのですが、
「リン」の文字が付いているものが多い印象があります。
お肉やお魚、インスタント食品、加工食品などの
リン酸を多く含むものを食べる時、食べた時には、
カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、その他のミネラルを積極的に摂取して、
リン酸とカルシウムの摂取バランスを1:2程に保てるよう意識しています。
例えば、カリウムの多いカボチャを食べる、
カリウムの多いフルーツをデザートにする、
食後のコーヒーや紅茶にミルクを多めに入れてカルシウムを取ってみる、
といった具合に、ひと工夫するだけでバランスが大きく崩れることを防ぐことができます。
※ミネラルについてはこちらから:私たちの体に大切なミネラルって何なのかしら?
これは、ちょっとしたコツですが、
インスタント食品や加工食品の摂取量が多くなっている時はリン酸だけではなく、
塩分摂取量も増えていることが多いものです。
塩分摂取量が増えますと高血圧やお顔や体の浮腫みといった症状を招きますよね。
このような時には、体の中に取り込んでしまった余分な塩分を排出してくれるカリウムを多く含む食品をプラスすると、リン酸、高血圧、浮腫みなど同時に対処でき、一石二鳥以上になります。
ご自分の食生活で陥りやすいパターンと気になられている症状などに合わせて、
このような形でリン酸対処をするのもひとつの方法かと思います。
カリウムと言っても様々な食品に含まれています。
お好きな食材、取り入れやすい食材、扱いやすい食材は人によって異なりますので、
ご自分にとってのレスキュー食材を覚えておくのはいかはでしょう。
体にとって欠かすことが出来ない成分だというのに、
摂り過ぎてはダメだなんて困ってしまいますね。
と同時に、大切な栄養をいつでもたっぷり摂ることができる環境はありがたいものです。
美味しく楽しくいただきながら、
体内を労わるコツを掴むきっかけにしていただけましたら幸いです。