2019-01-01から1年間の記事一覧
11月もいつの間にか半分を過ぎるようだ。 「過ぎるようだ」などと、他人ごとのような物言いをしてしまうのは、流れゆく時間に追われなくないと思う私の勝手なのだけれど、七十二候がそのように思っている私に忖度するはずもなく、暦の上では、寒さによって…
冷蔵庫から取り出した牛乳をボウルに注いだ。 最後の一滴がぽたっとボウルに落ちた時、ミルククラウンが見えたような気がした。 あれは小学生だっただろうか、それとも中学生だったのだろうか。 もう、記憶が遠すぎて思い出すことができないけれど、理科の実…
帰宅途中にドラッグストアーに立ち寄ると、女性が箱入りカイロを買い物かごに入れていた。 珍しい光景ではないのだけれど、その動作を3、4回繰り返したものだから、つい、友人のことを思い出した。 私の身近にも、カイロを欠かすことができない友人がおり…
母親に抱っこされた赤ちゃんが、母親の肩に片手をつくような態勢で、後ろを歩いている私の方をじっと見ていた。 あまりにも真顔で視線を向けるものだから、ニッコリと笑ってみたのだけれど、心ここに在らずのように見えた。 すると一旦、母親の胸の方へと下…
駅近くのビルに入っているとある飲食店。 通された席は、外の景色を見下ろすことが出来る場所だった。 少しずつ日が落ちていく景色を淋しい景色だと感じる人もいるけれど、私は何だか、とてもほっとする。 現実は、夕飯を食べてからもうひと頑張りということ…
青空マーケットが開かれていたその日、楽し気な雰囲気に吸い込まれるようにして中をのぞいた。 あまりにも大勢の人で賑わっていたため、それほどまでに人気あるイベントなのだろうかと思いかけて、その日が連休の中日だということに気が付いた。 イベント会…
やっと、いつまでもベッドの中の温もりに包み込まれていたい、そう思う季節になった。 眠い目を擦りながら、いや、私の場合は目を閉じたままなのだけれど、ちょっとした自分との闘いに勝ってベッドから抜け出すと、全身の毛穴が「さっむーい」と言って口をキ…
秋晴れのその日、キーボードを叩く手を止めて気分転換に散歩に出かけた。 秋の匂いに混じっているお日様の匂いが心地よく、見上げた空は秋空にしてはシャープさを含んだ青色をしていて、雲の白が際立って見えた。 特段、用事があったわけではなかったため、…
我が家には砂時計が2つある。 ひとつは、英国暮らしを始めた頃に美味しい紅茶を淹れるために購入した手のひらサイズの小さなものだ。 どこどこの砂時計というようなスペシャルなものではなく、もうあまり記憶に残っていないけれど、観光地としても名が知れ…
ここ数日、甘いものをいただく機会が多い。 甘いものは私を幸せな気分で包み込んでくれるもので、好きなもののひとつだ。 ただ、自分から頻繁に手を伸ばすことがないからなのか、甘いものを口にする機会が増えると、それによって体内が忙しく動いていること…
この日私は、様々な意味合いの「箱入り娘」という言葉を多く見聞きした。 その対象も人や動物など様々で、見聞きする度に、日本語は使い手次第で如何様にも変化する面白いものだと思った。 そのようなことを思っているときというのは、無意識に私のアンテナ…
今夜は秋刀魚を食べよう。 そう思い立ち、冷蔵庫からぷりっぷり、きらっきらのルックスをした秋刀魚を取りだした。 秋刀魚がまとっていた冷気をキッチンの温度に馴染ませている間、グリル内を予熱するために火を入れた。 今夜は大丈夫だろうか……、キッチンを…
その日は雨が静かに降っていた。 気圧の変化に敏感な私は、雨の日、頭をギューッと締め付けられるような感覚を覚える。 これは、雨を嫌う理由にもなり得るのだろうけれど、それでも私は、晴れの日と同じくらい雨の日も好きなのである。 薄暗くてヒンヤリとし…
その日は、いざという時のために準備している水や簡易トイレなどの賞味期限や消費期限等を確認した。 持ち出すものは、まだ自分に合ったスタイルが見つかっておらず、間に合わせ的なものしか準備していないのだけれど、自宅内に置いている備蓄品は随分と安定…
気温が下がってきているからだろう。 煮込み料理を作る機会が増えてきたように思う。 キッチン内にパソコンと本を持ち込んで、好きな飲み物と音楽を用意する。 そして、お鍋の中でグツグツと音を立てながら小刻みに揺れている食材の様子を時折、耳で確認しな…
私の必需品のひとつ、ノートを小さな書棚から取り出した。 使うノートはこれ、というような拘りは一切なくて、ふらりと立ち寄った雑貨店や文具店などで心惹かれたものを買っておくことが多い。 あとは、そのような私の習性を知っている友人から贈られたもの…
少し前に極早生みかん(ごくわせみかん)をいただいた。 気候の影響なのか品種の違いなのか、降臨したみかんシーズンのトップバッターのルックスは、フレッシュな緑色を残した檸檬色をしていた。 皮を剥いたときにパチンと弾けるように広がるあの瑞々しい香り…
楽しみにしていたことが延期になった。 密かにではあったけれど、とてもとても楽しみにしていたことである。 残念ではあるけれど、そういうことも生きていれば多々あるわけで。 しかし、驚いたのは気分をスパッと切り替えたつもりだったのに、家の中で地味に…
書斎部屋のキャビネットの上に、白いパフュームキャンドルを置いている。 いつだったか忘れてしまったけれど、友人が贈ってくれたものだ。 キャンドルポットは、女性の手のひらに乗せることができるくらいの大きさで、大きすぎず小さすぎずというサイズ感な…
コーヒーショップが近くにあるのか、コーヒーのいい香りが何処からともなく漂ってきた。 歩きながら自然とその香りを吸い込んだ。 あぁ、癒される。 確かにそう感じるのだけれど、私はコーヒーが苦手だ。 挽きたての豆から放たれる香りや淹れたときの香り、…
あっという間にハロウィンだ。 今年は残暑が長引いたからだろう。 私の気持ちはハロウィンに追い付かず、数日前に慌ててホワイトパンプキンのオブジェをひっぱり出し、ゴールドとダークブラウン色をしたオーナメントボールを観葉植物に少量飾り付けた。 ハロ…
商用施設内に設置してあるベンチ。 ここでは、様々な方々の、ちょっとした日常を垣間見る機会が多い。 メインから少し距離をとった場所に設置してあるからなのか、休憩場所という雰囲気がそうさせるのかは分からないけれど、素の姿ややり取りが出やすい場所…
雨がしとしとと静かに降っていたその日。 少しだけ窓を開け放しにして換気をした。 換気中であることを忘れたまま過ごしていると、家の中が妙にひんやりしていることに気付き、慌てて窓を閉めた。 そして、布団乾燥機の力によってふんわりと膨らんだ温かいお…
町の和菓子屋さんといった雰囲気の小さなお店を見つけた。 大人が2、3人も入れば身動きが取れなくなりそうな、小さなお店である。 店頭に数種類のお饅頭が並べられていたけれど、お店の方の姿は外からは確認できなかったところをみるに、御用の際はお呼び…
ダサいという印象を払拭し、機能性とおしゃれさを兼ね備えたものが増えた証拠だろうか。 すれ違った女性たちの会話から「冬用のステテコ」という声が聞こえた。 人に見せるものではないし、色香や艶を求められるアイテムでもないのだから、機能性とおしゃれ…
先日、友人から爽やかな水色をした紫陽花の画像が送られてきた。 この友人は、いつだったか私が何気なく漏らした紫陽花が好きだという言葉を記憶に留めておいてくれており、毎年、梅雨の頃になると日常の中で見つけた様々な紫陽花画像を届けてくれるのだ。 …
晩夏と初秋を行きつ戻りつしていたお天気も、その日は風がひんやりとしており、おっ、いよいよ秋?秋なの?と辺りの空気を吸い込んだ。 体の内側がすーっと冷たくなったことを感じながら、念のためにと鞄の中に忍ばせてきたストールに視線を落とし、ようやく…
幸せのレシピ集へ足を運んで下さっている皆様へ こんにちは。 こちらで執筆させていただいております柊希(ひいらぎ)と申します。 しばらくの間、席を外しておりましたが、明日10/27より通常運転致します。 これからも、いつでも、お気軽に、ふらり、お立…
幸せのレシピ集へ足を運んで下さっている皆様へ こんにちは。 こちらで執筆させていただいております柊希(ひいらぎ)と申します。 いつも、皆さんの貴重なお時間を使ってお越しくださいまして、ありがとうございます。 本日10/18~10/26まで更新を休…
使い切ってしまいたいゼラチンパウダーと生クリームがあり、久しぶりにコーヒーゼリーを作ることにした。 作ることにしたなどと言えるほど手間暇をかけたものではなく、材料を混ぜて器に注いで粗熱を取って冷やすだけのシンプルなタイプ。 この日、ゼリーの…