お花
昨年の大晦日の夜は、普段よりも少し早く家を出て初詣へと向かった。 小雨がパラついていたからだろうか。 思っていたよりも気温が穏やかで、すぐに体温の上昇を感じた。 いつも真夜中まで車の往来がある通りはシンと静まり返っており、 信号機の色と街の明…
どこからか「蛍の光」が聞こえてきた。 卒業式や、お店の閉店時間を知らせるとき、 これからであれば、NHKの紅白歌合戦をご覧になる方は、そのエンディングでも耳にするであろう、あのお馴染みの曲だ。 日本人が「蛍の光」を耳にするとき、 胸の奥をキュ…
幸せのレシピ集では毎月、 その月にお誕生日を迎えるレディの皆さんをお祝いする気持ちを込めまして 誕生石や誕生色に因んだ様々なお話しをさせていただきました。 3回目のお祝いとなる今月からは、縛りを解いて、フリースタイルでお祝いを、と思っておりま…
お店の前に置かれていた寄せ植えの鉢に視線を落とすと、南天の実が真っ赤に色づいていた。 赤く染まっていく南天を目にする度に、すぐそこまで来ている本格的な冬の気配を感じるのも毎年のことだ。 南天は、5月から6月ごろに可愛らしい白い花を咲かせた後…
ひと月ほど前だっただろうか。 近場であるにも関わらず足を踏み入れずにいた公園の存在を再認識させられる機会があった。 極度の方向音痴ではあるけれど、私には珍しく、場所の見当がついたこともあり、 脳内換気も兼ねて、ふらり、行ってみることにした。 …
カフェでお茶を飲みながら街中の木々の色付きを眺めていた。 ふと、真っ赤な楓が恋しくなり、今年はとびっきり真っ赤な楓を観に行こうと思った。 目の前の紅葉そっちのけで燃えるように赤く色づいた楓を想像していたら、 そういえば、と、ある植物園の方に教…
ラリラリラリラ、しらべはアマリリス♪ すれ違った女の子たちが楽しそうに歌っていたそれは、アマリリスの歌だった。 久しぶりに聞いたけれど、ラリラリラリラって何ぞや。 オルゴールの音色を表しているのだろうけれど、 ラリラリラリラってと子どもの頃と変…
酔芙蓉(すいふよう)という名の花を知ったのは4、5年ほど前だったように思う。 確か、ミステリー小説の中に登場した花だった。 妖艶で上品でとても不思議な酔芙蓉(すいふよう)の姿がリアルに描写してあったため、 実在する植物なのだろうか、とネットや花図…
引き出しの中を片付けていたら花札が出てきた。 確か安土桃山時代辺りにポルトガルから伝わったカードゲームが 時代を経る中でアレンジされ、日本のカードゲームのカード、花札として定着したものだ。 十二種の季節の花を書いた札が4枚ずつあり、48枚でワ…
ローズマリーと聞けば眉間に深いシワを寄せる友人がいる。 一緒に食事をしていて、運ばれてきた私のお料理にローズマリーを見つけると、店員の存在そっちのけで険しい表情をするものだから、私は内心ハラハラしつつも、いつもと変わらぬ友人の、愛らしい自由…
家に缶詰めになってしまう事が多いライフスタイルゆえ、 ネットショップなるものに非常にお世話になっている。 「時間短縮」を略して「時短」。 時短と付く造語も日に日に増えているように思うけれど、 私にとってありがたい時短のひとつが、お買い物時に費…
視線の先にある橋のたもとで、赤い何かが揺れた気がした。 通り道ということもあり、吸い寄せられるかのように橋のたもとへ向かった。 すると、少しだけ早く開花してしまったらしい、 小ぶりな曼殊沙華(まんじゅしゃげ/まんじゅしゃか)が揺れていた。 この花…
今年もまた9月9日の重陽の節句(菊の節句)が近づいてきましたね。 五節句のトリを務める重陽(ちょうよう)の節句は、 古の頃のような盛り上がりはありませんが、 大人が粋に楽しむことができる節句のように感じます。 重陽の節句を含む5つの節句のお話は、…
今年は暑さが長引くのでは、と言われているけれど、日差しの中には微かに秋色の光が混じり始めたように思う。 陽が落ちれば、どこからかともなく鈴虫の声が聞こえる夜や、思いがけず涼し気な夜風を浴びることもある。 暑さが長引く、とは言っても秋は着々と…
体の芯に響く陽気なメロディーと和太鼓のリズムと 人々の熱気に混ざった屋台から漂う美味しそうな匂いは、夏祭りそのものだ。 色々な夏祭りの思い出を少しばかり回想しつつ 人混みをかきわけるようにして、目的地を目指した。 日もすっかり暮れているという…
この季節、様々な場所で見かけるサルスベリ。 白やピンク、薄紫色に、真っ赤なものまであり、夏の日差しにとてもよく似合う色をしている。 きっと、子どもながらに、この時季の景色に映えると感じたのだろう、 物心ついたときにはサルスベリという植物の名を…
幸せのレシピ集では毎月、 その月にお誕生日を迎えるレディーの皆さんをお祝いする気持ちを込めまして いくつか定められている誕生石の中から天然石を1つ選んで、 その天然石に因んだ様々なお話しを少しずつご紹介してまいりました。 現在は、嬉しいことに…
最近、書斎のベランダから見える景色がお気に入りだ。 というのは、目線の少し先にあるお宅にブーゲンビリアの木があるのだけれど、それはそれは立派な花を咲かせているのだ。 夏の青い空をキャンバスにしてマゼンタカラーのブーゲンビリアが映える景色。 借…
偶然通りかかったお宅の前に立派な鬼灯の鉢植えが出してあった。 水をあげてから、そう時間は経っていないのだろう。 青い鬼灯からは水が滴っており、その一角だけがやけに涼やかに見えた。 夏の日差しに映える力強いオレンジ色の鬼灯は、昼間だけではなく夏…
もうすぐ父の日ですね。 この時季になると思い出すことがあるのです。 英国暮らしをしていた頃、近所に雰囲気の良い花屋があったのです。 今どきのスタイリッシュなおしゃれな雰囲気というよりは、 シャーロックホームズの世界に登場してもおかしくないよう…
友人から数枚の画像が届いた。 私が紫陽花を好きだと言ったことを覚えてくれているようで、毎年、この季節になると出かけた先で見かけた紫陽花の画像を送ってくれる。 なかなかPC前から離れることができない私は、そんな友人の優しさから、あぁ、もうこんな…
端午の節句、こどもの日には菖蒲湯に入る風習がありますが、皆さんのご自宅では菖蒲の準備はお済みでしょうか。 今回のお話コードは「菖蒲」でございます。 お時間ありましたら、そっと覗いていって下さいませ。 端午の節句は別名、菖蒲の節句と言われること…
5月1日は、愛とスズランの日でしたが、いかがお過ごしだったでしょうか。 ワタクシ柊希は、普段と変わらぬ1日を過ごしておりましたが、 変わらぬ日常も、とても愛おしい時間だと感じております。 スズランの日と言えば、以前、スズランのお話をさせていた…
我が家の近所には少し大きな公園がある。 敷地を大きな木がぐるりと取り囲み、地面は、見るからに手触りの良さそうな、ふさふさの緑の葉で覆われている。 公園内に一歩足を踏み入れると、草木のマイナスイオンが解き放たれているのか、少しだけヒンヤリとフ…
先日、道端に咲くスズランを発見。 人通りが無かったこともあり、しばし足を止めておりました。 お庭やフラワーショップではなく道端で見ることができるなんて、と 少し得した気分で目的地へ向かいながら私の脳内はスズランのことでいっぱい。 小さな鈴が並…
暗い夜道を歩いていると目の前に、それはそれは素敵なクレセントムーン(三日月)が浮かんでいた。 お月様が究極まで欠けた、細くて大人びた艶のあるクレセントムーン。 本来、お月様は欠けてなどいないのだけれども、 勝手なもので欠け始めただの、満ちはじめ…
明け方まで作業をしていたせか、せっかくの休日だというのに、お日様が程よく昇った頃、もぞもぞとベッドの中から抜け出した。 上がりきらない血圧が整うのを待つ間、リビングのソファーでお気に入りのブランケットに包まりながら白湯をひと口、またひと口と…
春の香りに吸い寄せられるかのようにフラワーショップへと足を踏み入れた。 自宅から徒歩圏内にあるそこは、みずみずしい元気なお花の宝庫で、 私のフラワーライフを支えてくれている存在だ。 フラワーショップと言えば、店員に声をかけてお花を取ってもらう…
寒い。 横断歩道で信号待ちをしていると重みのある冷たい風が顔を撫で上げるように吹いた。 少しでも温かさを感じたくてグルグル巻きにしていたストールに顎を沈ませる。 信号の青に背中のスイッチを押された人々が一斉に渡り始めた。 少し出遅れたけれど、…
この時季に咲くお花の中に、 小さいけれど寒さに負けずにイキイキと咲いて見せてくれる水仙があります。 今回は、寒い時期にぽっと春を先取りしたように咲く「水仙」が持つエピソードを 画像と共にご紹介したいと思います。 どうして画像と共になのかと申し…