2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧
先日、『でっちあげられた物語。』のタイトルのもと、お岩さんの話題に触れたのです。 内容は、巷で話されているような怪談話の類ではなかったのですけれど、このタイトルが公開された日の朝、私の右瞼は謎の腫れでぷっくり膨れておりました。 腫れてはいた…
美味しそうなサクランボが多種類並んでいた。 国産のものはもちろん美味しいけれど、外国産のものは国産とはまた異なる美味しさがあり、サクランボとひと口にいっても、その美味しさは様々である。 外国産のそれと言えば、赤黒くぷりっとしたフォルムのアメ…
ひと月ほど前のことだ。 友人が上弦の月とか下弦の月とかあるけれど、月がどうなったら上弦の月で、どうなれば下弦の月なの?と言った。 夜空を見上げて欠けている月を目にすることはあるけれど、判断が付きにくいと言うのだ。 確かに、このような向きで浮か…
随分と懐かしい方からメールをいただいた。 数年前に知人経由で日本のことを教えて欲しいと言われた方からである。 当時、その方は既に日本への旅行計画が決まっていたのだけれど、自国内で得た知識だけでなく、日本人の口から日本のことを聞き、勉強した上…
王が居るところには良い食材が集まってくるのよね、と思いながら、軽く茹でたモロヘイヤをザクザクと心地よい音を響かせながら刻んだ。 モロヘイヤとはアラビア語だときく。 意味は「王家だけのもの」だそうで、時代が異なれば、高貴な方しか口にできなかっ…
ワタシ、エスパーにでもなってしまったのだろうか。 捲っていた手帳を閉じ、そう思った自分に小さな突っ込みを入れつつ、エアコンのリモコンスイッチをグイッと押した。 目にしたページには、「土潤溽暑(つちうるおいて、むしあつし)」とあった。 文字並び…
ガーデンチェアでひと息ついていると、塀の上部にある何かに光が反射した。 立ち上がると、オレンジ色をした小さなボタンのよう見えたものだから、オレンジ色のボタンを無くした記憶を探しながら近づいて手を伸ばした。 あまりの小ささとオレンジ色の上にビ…
スケジュールが変わり、ポッと生まれた夜時間。 のんびりと過ごす時間も良いのだけれど、最近の私は普段よりも少しだけアグレッシブである。 きっと今はまだ、夏の暑さに照らされて、しんなりとしょげ果てた青菜のようになる前だからだろうと思う。 キッチン…
この時季になると必ずと言っていいほど、「におい」に関する話題が挙がる。 多くの方がエチケットとして自分自身が発するにおいや、持ち物、衣類、自宅のにおいなどを気にかけている。 そのような視点で改めてドラッグストアやバラエティーショップにある商…
お昼が過ぎた頃、窓の外からラジオ体操のメロディーが耳に届いた。 子どもの頃、あれほど頻繁に耳にしていたのに、いつからだろう。 すっかり縁遠いメロディーになっていしまっている。 その証拠に、あのメロディーに乗せて体を動かしてみようとしたのだけれ…
信号待ちをしていると、視線少し先に蝉の抜け殻を見つけた。 蝉……、そう気が付いた瞬間から耳が拾い始めた蝉の鳴き声のクリアなこと。 いつから、こんなにも大合唱していたのだろうか。 今年の夏はまだ、蝉の鳴き声で目覚めてはないな。 蝉の鳴き声は、どう…
その日は、涼やかな装いで家を出たのだけれど、私の予想斜め上をいく蒸し暑さだった。 白線に反射する日差しに目を細めながら横断歩道を渡っていたのだけれど、私のそばには、白線のみを踏みながら渡る子どもたちの姿があった。 蒸し暑さに負けず、額の汗を…
普段フラワーショップで手に取る花は、存在感があるものがほとんどだ。 きっと、無意識に「せっかくフラワーショップで買うのだから」という気持ちが働いていたのだろうと思う。 しかしその日は珍しく、草花のようなものばかりに目が留まっていた。 それなら…
ワンピースの裾からひょろりと糸くずが垂れていた。 逃がすまいと意気込んで糸の端を指先で摘まんで引き上げると、マジシャンが世界中の国旗を取り出すときのように、するするするっと裾上げを縫い留めていた糸が、胸元近くまで抜けてしまった。 縫い留めて…
町の洋菓子店が閉店する。 生まれ育った町に住んでいるわけではないため、子どもの頃から慣れ親しんだ洋菓子店ではないのだけれど、 時々利用させていただいていた洋菓子店だったこともあり、ほんの少しだけ淋しいという気持ちが湧いた。 どのようなことも続…
えっ、ムシムシッとする。 先日、寝ぼけまなこでベッドルームからリビングへ移動して真っ先に感じたことである。 来たな、来たな、来たな、夏―。 あまりの湿度の高さに声を出す気力を削がれ、全ての言葉はテロップという形で脳内に流れた。 窓を開け放ち、除…
今年に入り、幾度かお世話になったまま、お手入れを先延ばしにしていたレインブーツをせっせと洗った。 あとはパンプスタイプがあれば冬まで安泰だろうという算段である。 ついでにパンプスやサンダルにも軽くお手入れを施し、ズボラ柊希の必須アイテムであ…
サービスエリアに立ち寄った。 改装したばかりなのか、サービスエリアそのものが新しくできたばかりなのかは分からなかったけれど、そこは昔ながらのそれと言うよりは、洒落た雰囲気をまとっていた。 その雰囲気に煽られた私は、置いてある商品への期待値を…
魔法の手の力を借りようとヘアサロンへ行った。 私の手に負えなくなった部分と、ちょっとした希望を伝えるだけで思い通りのヘアスタイルを作り出してもらえることに改めて感動した。 そう気持ちが動いてしまったものだから、それをそのまま伝えると「何年の…
時折見返すもののひとつに、今は亡き書道の恩師からいただいた筆文字のお手本帖なるものがある。 学生の頃にいただいたものなので、色褪せも劣化も激しいのだけれど、自分で書く手書きの文字が崩れてきたように感じたときに、 そのお手本帖をパラパラと眺め…
ひょんなことから知人とヘソクリの話になった。 ヘソクリとは、皆さんご存知の人に秘密にしてこっそりと貯めたお金のことである。 ヘソクリの隠し場所に関しては、自宅に秘密の場所を設けている人もいるけれど、銀行に秘密口座を設ける人もいたりして、ヘソ…
7月17日辺りから、七十二候は「鷹乃学習 (たかすなわちわざをならう/たかすなわちがくしゅうす)」という期間に入る。 どのような時季なのかと言うと、この文字の並びから想像できるとおり、今年生まれたばかりの幼い鷹が、飛ぶことや獲物の狩り方など生き…
朝起きて窓を開けたとき、そこにいつもの景色が無かったら、人はどのようなリアクションを取るのだろうか。 友人から送られてきたリスの動画を観て思った。 その動画というのは、冬眠中のリスがうっかり目覚めてしまい、地上に出てきたところを収めたものだ…
ひと月ほど前だったでしょうか。 知人とのやり取りの中で、こまめに水分を補給するようになったけれど、水太りしてしまうのがネックだという話を耳にしたのです。 命に関わるという認識があるため、水太りすることは仕方がないと諦めて水分摂取をしていると…
インテリア雑貨を多く扱っているショップをふらりのぞいた。 何か欲しているものがあったわけではないのだけれど、このような空間は目の保養になったり、素敵だと感じるけれど、自宅をそのように変えようとは思わない雰囲気のものを目にすることで受ける刺激…
今日はストレッチをする元気が残っていないからサボってしまえ……。 そう思いながら体を、リビングのソファーに雪崩れ込むようにして委ねた。 私の体を受け止めたときのボワンッという音と、ソファーの少しヒンヤリとする感覚が妙に心地よくて、しばらくゴロ…
今年は梅雨らしい梅雨が来ないまま梅雨が明けてしまうのではないだろうか。 なかなか降らぬ雨にそのようなことを思いながら紫陽花を眺めた日もあったけれど、振り返れば、今年もしっかりと梅雨と呼ぶに足る雨が降った。 こうしてしっかりと帳尻を合わせてく…
「自転車でも買おうかな」と頭に浮かんだ。 私の日常に自転車がなくて困るようなことは何もなく、気まぐれ以外の何ものでもないのだけれど、どうして急にそのようなことが思い浮かんだのだろうと思い、ここ数日の日常を振り返った。 これと言った出来事や出…
思いもよらぬタイミングでその時はやってきた。 先日触れたソリレスの話題。 あれから、そう時間が経たぬうちに丸鶏のローストを食す機会が訪れ、お宝ソリレスを探す絶好のチャンスを得たのである。 ソリレスをおさらいすると、ソリレスは、鶏の股関節近くと…
フラワーショップの前を通ると、ガーデンバケツに入れられた向日葵が目をひいた。 体感温度や装いからも感じることができる夏だけれど、この花を見なくては夏は始まらないと思っている私が居る。 向日葵は、太陽の方を向くことでも知られている花だけれど、…